今回は生命保険の支払い関係です。たまーに細かい知識が問われることがありますが、あまり出題されないところです。しかし、知っていて当然の問題も出ますので、身につけておきましょう。
支払方法
保険料の支払い方法は
- 月払い
- 半年払い
- 年払い
- 一時払い
- 前納
があります。ほとんどが言葉通りの意味ですが、一時払いと前納がわかりにくいかもしれません。
一時払いは保険期間すべての前納で、前納と表現した場合は特定の期間分をまとめて払います。
払込猶予期間
保険の効力は支払いが滞ると失効します。しかし、短期間であれば契約は失効しません。
払込猶予期間は、月払いは翌月中です。一方、半年払いや年払いの場合は、翌月の初日から翌々月の契約応当日までとなります。
契約の失効
保険契約は支払いの停滞などによって失効することがありますが、条件を満たせば復活可能です。この項目では保険失効と復活について見てみましょう。
- 保険契約の失効:猶予期間経過後に自動振替貸付制度が適用されない場合、支払が滞ってしまうので、保険契約の効力が失われる。
- 保険契約の復活:失効した契約は条件を満たすことで、元の状態に戻すことができる。
契約復活の条件
- 失効してから一定期間内(一般的には3年以内)
- 被保険者の告知書を提出(場合によっては診査が必要になる)
- 失効期間中の滞納保険料と滞納期間中に発生した利息をまとめて支払う
失効する前に考えるべきこと
保険料が払えずに失効する位なら他の方法を考えましょう。特にFP実務的には払済保険の利用は家計に大きな影響を与えるため、覚えておきましょう。保険料が払えないときの対応には以下のようなものがあります。
- 自動振替貸付制度:振り込みが完了しなかった際に、解約返戻金の範囲内で保険会社が保険料を立て替えてくれる制度
- 契約者貸付制度:契約者の申し出で、解約返戻金の8~9割を貸し付けを受ける制度
- 契約転換制度:加入している保険の責任準備金等を利用して他の保険に変える制度
- 減額:保険金額を下げることで払込保険料を減らすこと
- 延長保険(定期保険):保険料の払い込みを中止して、保険金額を変えずに解約返戻金を考慮し定期保険に変更すること
- 払済保険:保険期間を変えずに保険料の支払いを中止し、中止時点での解約返戻金から同種の保険に変更すること。
なお、立て替え等で支払われた保険は、個人としては支払っていませんが、保険としては払われているので、控除対象になります。ただし、立て替えられた分は借金として残ります。
注意として、払済にした場合、入院特約などの特約部分は貯蓄性のない掛け捨て保険とみなされ、消滅します。また、1度払済にしてしまうと元の契約に戻せません。
解約
保険は基本的にいつでも解約することができます。その際、加入していた保険の種類などから解約返戻金が受け取れたり、配当金を受け取ることができます。基本的に満期前だと解約返戻金は支払額よりも小さくなります。
おわりに
FP的には保険は、家計の見直しで一番手を入れやすいところなのかなと思います。
何も考えずに入っている人も多いです。
保険会社が儲かるシステムである以上、万が一の受け取り保険料期待値より支払い保険額のほうが大きく、通常損する制度です。しかし、実際問題として、万が一が起きると受け入れがたい損失が出ます。このリスクを受け入れられる一定額にするのが保険です。
生活が苦しい場合、支払保険料は受け入れられる額になっていないので、積極的に見直しましょう。
保険自体は、税の控除を考えれば一定額までは資産形成の上でも悪い話ではありません。しっかり学んでいきましょう。
家族構成や、年齢、収入などを加味して、適切な保険額になるように設定できるようになりましょう。