今回は投資関係の用語集です。

少し私の主観が入っていますが、おおむね間違っていないと思います。

困ったときに見ていただけると良いですね。まだまだ未完成。

こんな用語を解説してほしいなどがあれば連絡いただけると有難いです。

随時加筆していきます。

あ行

足(あし)

価格推移の記録の取り方。あしと読む。日足(ひあし)、週足(しゅうあし)、月足(つきあし)などなど。上位足と言ったらより長い時間の足を指す。また、長い足といった場合には大陽線、大陰線を指す。ローソク足の場合はヒゲと実体で構成されている。「ひあし」を「にっそく」と呼んだりすると恥ずかしい。よっぽど仲良しじゃないと指摘もしづらい。極めて稀に、「あし」を「そく」と読んでしまって、詐欺師がばれるということもあるらしい

アノマリー

過去の傾向から、事実らしいと考えられるが、理由付けがあいまいなもののこと。Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day. などが有名。5月に売れ!とは6月から9月までが軟調になりやすいことを示唆しているが、明確な理由は不明。5-10日仲値(9:55)の急上昇もアノマリーとして知られていたが、理由付けがされつつある。実需筋の決済関係であるとされ、特に金曜日の5-10日は仲値の時間帯に円が売られやすい。その傾向は決算月に顕著である。確率的な話をするなら、同じ取引(円売り)を金曜5-10日に限って行えば黒字になることは示されている。

アルゴリズム取引(あるごりずむとりひき)

アルゴリズムとはコンピュータで計算をする際の計算方法のこと。プログラムの流れ方などを指し示す単語。したがって、アルゴリズム取引とは、相場環境をコンピュータで判断し、システムに任せて取引を行うこと全般をさす。順張りが多く、一方向に動き出すと追随し、一気に価格が動くことがある。2019年、年明けの大幅下落はアルゴリズム取引が原因と言われている。

α(あるふぁ)

市場全体の収益率との差を示す。+であれば市場平均を上回る収益であることを示し、-の場合は市場平均に劣ることを示す。市場を上回る投資収益を狙うことを「αを取る」などとよぶ。投資家は自然とαを狙うことになる。なぜなら、αをとれないなら市場平均に投資するほうが良いからである。

アービトラージ(Arbitrage)

裁定取引のこと。裁定取引を参照されたい。

板(いた)

売り買いの注文状況を示した一覧表のこと。主に株で見られるが、一部のサイトでは、為替の価格帯ごとの注文状況を確認することができる。買い注文が多ければ価格上昇が見込まれ、反対に売り注文が多ければ価格下落が見込まれる。しかし、実際にその通りの値動きとはならない場合も多い。現在はコンピュータの性能が高く、1/1000秒よりも早く注文実行がされるが、板情報の表記はそれに準ずるほどでない。したがって、真の注文数を把握することは困難である。

一目均衡表(いちもくきんこうひょう)

一目山人氏が昭和に考案した相場観測法。波動、時間、値幅観測で構成されており、将来の値動きに対して様々な予測を行える手法である。極めればとても強力な武器となる。世界各国で使用されている。チャート上には基準線、転換線、先行スパン1・2、遅行スパンの5種類の線を引き、先行スパン2種類に挟まれる領域の形状や、基準線の向きなどから、相場の先行きを予測する。

移動平均線(いどうへいきんせん:Moving Average :MA)

過去の一定期間の価格を平均した点を期間が進むごとに、古い値と新しい値を入れ替え同じ期間の点を描き、点同士を結んだ線のこと。ある一定期間に取引をしてきた市場参加者の保有するポジションの平均値に近似する。したがって、MAよりも価格が上にいればロングは黒字、ショートは赤字の状態にあることが推測される。実際の価格の動きよりもかなり遅れて市場の方向性が現れるため、複数期間を同時に表示したり、指数平滑移動平均や、加重移動平均等直近の値動きに重みづけした計算法がある。

売り上がり(うりあがり)

上昇相場において逆張りのショートを仕掛け、価格が上昇した際に、さらにショートを入れること。また、含み損があったポジションを解消し、より高い価格のショートポジションを残すような戦略を指す。ナンピンの売のみを指す言葉。

エリオット波動(えりおっとはどう)

ラルフ・ネルソン・エリオットが1938年に提唱した相場観測手法。5波動のトレンド方向への価格推移と、3波動のトレンドと逆方向の波動を合わせた8波動で構成される。この波動は短期の足でも長期の足でも確認され、フラクタル構造になっていると考えられている。様々なルールやガイドラインが存在するため、使いこなすことは難しく、今でもオカルト的に捉えられていることが多い。特に、教科書的説明では上昇波動しか書かれないので、下落の波動を見極められないと、全くわからないということが起こりうる。しかしながら、過去チャートとして完成した際に、エリオット波動の理論に合致するチャート形状は非常に多い。使いこなせなくても、知っていると、有益なこともある。難解だが毛嫌いしないでほしい。

押し目(おしめ)

価格が上昇中にある状態で、一時的に下落し、再度上昇するポイントのこと。基本的に上昇基調であるため、その後の価格推移の中で最も安い価格帯になり、絶好の買い好機である。押し目を作らない上昇トレンドもあれば、押し目に見えて下降トレンドに入ることもある。フィボナッチや、直近高安値等を考慮し様々な分析を行えば、ヒゲ先端を狙えることもある。

終値(おわりね)

ある時間で区切られた価格推移の最後の値。引値(ひけね)とも。ローソク足の実体を構成するため、とてもよく意識される値ともいえる。特に、ニューヨーク市場の終値や、金曜日、月末の終値は上位足の終値とも重なるため、非常に強く意識される。

か行

回帰(かいき)

戻ってくること。投資界ではよく使われるのが移動平均に対する回帰。ボリンジャーバンドや、エンベロープは移動平均に対して、どの程度乖離しているかを示すインジケーターで、移動平均への回帰をもとに分析を行っている。必ず戻るわけではないが、戻る確率が高いと考えている。統計学的には、得られた複数のデータから最もよく説明できる関数を探すことを回帰分析という。

買い下がり(かいさがり)

下落トレンドに逆張りのロングポジションを仕掛け、価格が下がった際に、さらにロングポジションを作ること。また、含み損を抱えていたポジションを建値で解消したりしながら、より価格の低いロングポジションを残す戦略。ナンピンのロングのみを指す。

逆張り(ぎゃくばり)

価格推移が逆転することを前提にポジションを作ること。一般的には投資の失敗パターンと考えられている。トレンドが続いてしまった場合に損失がどんどんと膨らんでしまうとされ、損切りできない人はどんどんとナンピンし、損失を拡大させる。しかし、的確に反転するであろうポイントを分析していれば、リスクリワードは大きく取れるため、損切を適切に行えば、必ずしも悪手ではない。特に上位足のトレンドに沿った下位足の逆張りは、順張りであると考えるものもいる。

グルグルトレイン(グルトレ)

川崎ドルえもん氏の考案したFX取引手法。初期費用こそ大量に必要であるが、安定した収益を上げやすい初心者向けの手法。大きな目で見たらレンジ相場が多いため、両建てし続けることで、相場が動けば利益を生み出すことができる。ただし、1方向に動いている場合は利益を生み出さない。それどころか利確していく分ずつ損失が生まれる。この1方向の動きによる損失を予防する方法もグルトレは組み込まれているが、これ自体はある程度のFX知識が必要である。したがって、長期間保有することが前提かつ、多量のポジションを受け入れることのできる資金量が必要である。詳しくは「グルトレ 川崎ドルえもん」で検索。

月利(げつり)

ひと月の利益を元本の割合に直したもの。通常1日から月末までの成績を示す。トレーダーとしては、月毎に集計している人が多い。毎月黒字を目指すのがベストで、日や週で負けてしまっても落ち込まないでほしい。いつか勝てる日は来ます。きっと。

謙虚利確(けんきょりかく)

分析上目標となる利確ポイントよりも早く利確すること。あまりに利益が少ない場合はチキン利確などと呼ばれることもある。例えばN値を狙える状況下で、前回高値で利確する場合は謙虚利確と言えるだろう。それは、ダブルトップ形成で、前回高値から下落に転じる可能性があるためである。もちろん、前回高値に届かずに下落基調になる場合もある。その場合の謙虚利確はほとんどチキン利確である。むしろ、高値切り下げなので、反対売買すべきポイントとなる。すなわち、反対売買へ優位性がシフトしたポイントでの決済も謙虚利確と呼べる。

限月(げんげつ)

限月とは期限の最終日が所属する月を指す。通常、先物、オプション取引に使われ、満期となるために、意識される月になる。例えば、4月に期限がくる商品は、4月限(しがつぎり)と呼ぶ。また、4月限商品を4月に取引することを限月取引と呼ぶ。

コツコツドカン

勝率は悪くないものの、利益が出ない典型例として利益が小さく、損失が大きい「利小損大」の状態。初心者のうちは利確目標まで耐えられなかったり、適切な損切ができないためにコツコツドカンの状態に陥りやすい。反対の「損小利大(利大損小)」を目指さなくてはならない。もしくは、超高勝率を目指さなくてはならない。

さ行

サイクル

回転を意味する単語で、投資業界では価格の推移が一定の間隔で安値から安値を付けていくことを言う。高値の位置は変わりやすいため、安値でサイクルを考えるのが一般的である。様々な短期から長期まで複数のサイクルがあると考えられており、数週間程度のものを短期、数か月単位を中期、数年単位を長期と考える。長期は4年程度をキチンサイクル、10年程度のものをジュグラーサイクル、20年程度のものをクズネッツサイクル、50年程度をコンドラチェフサイクル、100年以上のものをモデルスキーサイクルという。それぞれ、在庫(キチン)、設備(ジュグラー)、建設(クズネッツ)、技術革新(コンドラチェフ)、覇権(モデルスキー)が原因と考えられている。数学的にはフーリエ変換によってもサイクルは検出可能であるが、相場を的確にフーリエ変換するのは困難である。

裁定取引(さいていとりひき:アービトラージ)

別名、さやとり。金利差や現物と先物との差など、本来同一であるべきものの差を利用して、リスクを減らすような取引のこと。利率は低いが負けにくい手法。しかしながら、取引手数料以上に乖離が出ることは少なく、トレードチャンスも少ない。最近はFXでスワップの口座間の差を利用した裁量取引も行われている。口座の規定に、他口座間での両建が禁止されていないことを確認しておくこと。

実体(じったい)

ローソク足の太い部分のこと。ローソク足表示で設定した期間の始値と終値の間に描かれる。始値から終値までが本来の値動きであり、一時的な高値・安値は虚像であるとの発想から実体と呼ばるようになった。逸脱する高安値部分は「ヒゲ」や「虚像」・「カゲ」などいろいろな名称がある。実際の分析ではどちらも価値があるとする考え方もある。

週利(しゅうり)

元本に対して1週間で増えた利益の割合。通常月曜日から金曜終わりまでの投資成績を反映する。週利10%なら始めが1万円の場合1000円の利益を上げたことになる。

新値(しんね)

文字通り新しい値であるが、相場では直近の高安値を更新した際に現れる価格のこと。新高値、新安値。新値と呼ぶような場合は、年初来や上場来などの期間を明示することが多い。

損切(そんぎり)

含み損を持ったポジションを決済し、損失を確定させること。損失を出してはいるが、大きな問題はないと考えられる。むしろ、損切りをしないことによって損失を拡大させることの方が問題。呼び名が悪いため、経費などとも呼ばれる。一般的に、ポジションを持った段階で、利確のための価格と、損切りのための価格は決定されているべきである。素人のうちは、特に何も考えずにポジションをとってしまうことがあるため、損切りできず、コツコツドカンと呼ばれる負け方をする。損切りを受け入れる心持は必須である。

た行

ダイバージェンス

Divergenceは、相違があることを示す単語。投資では、価格変動と、変動を表す指数(インジケーター)等が反対の動きを示すこと。つまり、値動きとインジケーター等が相違している状態を指す。高値圏では高値更新にもかかわらず、指標は下落した場合にネガティブ(弱気の)ダイバージェンスと呼ばれ、下降トレンドへの転換を示唆しているといわれる。一方、安値圏では安値更新にもかかわらず、指標は上昇を見せるとポジティブ(強気の)ダイバージェンスと呼ばれ、上昇示唆と考えられる。必ずしも反転するわけではないことに注意が必要。上昇中や下降中に高安値に勢いの強いことを示す、ヒドゥンダイバージェンスと呼ばれる現象も知られている。

ダウ理論(だうりろん)

1890年頃に、アメリカのチャールズ・ダウが発表した相場観測のこと。本来は平均値を用いている。一般には高安値の更新だけが知られているが、8つの基本法則があり、実際は様々な理論が含まれている。1.平均株価は、すべての事象を織り込む。2.トレンドのサイクルは3つある。3.長期トレンドにはそれぞれ3局面ある。4.平均株価は相互に確認されなければならない。5.トレンドは出来高でも確認されなければならない。6.ラインは訂正運動に変わることがある。7.終値を重視。8.トレンドは転換が決定的になるまで続くものと判断すべきである。

建玉(たてぎょく)

相場の世界では、「たま」ではなく「ぎょく」である。買い建玉、売り建玉などという。英語ではポジション(position)。買い増すことは増玉(ましぎょく)と呼ぶが、こちらは「ましだま」でも通じることがある。こちらは恐らく玉ではなく弾という意味なのだろう。デモではなく、実際のお金でトレードすることを実弾などと呼ぶことから混同されていると思われる。「ぎょく」に抵抗があるなら「ポジ」とポジションを略すと良いだろう。

騙し(だまし)

チャートやインジケーターを用いて売買シグナルが出たことを確認したが、その後の展開が予想に反した動きをした場合に使われる。「だましに遭う」等と表現する。また、値ごろ感で何となく逆張りをしてしまったりして損切する場合にもだましにあったなどという人がいるが、それはただの分析不足である。オシレーターなどは買われすぎ、売られすぎのシグナルが出てもトレンドが強い場合は一方向に動き続けて騙された気分になりやすい。ただ、マルチタイムフレーム分析や、ダイバージェンスの確認、移動平均線との位置関係等様々な分析を加味すれば真のだましは、ほとんどないと言えるだろう。だまし的値動きを予測していれば、それは既にだましではなくなる。

チキン利確(ちきんりかく)

利確のうち、本来あるべきポイントまで伸ばせず、精神的な重圧に耐えきれず、不本意な利確をしてしまうこと。また、少額の利確のこと。利益が出ているので、あまり悲観的になる必要はない。このため、「利確千人力」「謙虚利確」等、ポジティブな表現をされることもある。しかし、初心者のうちはコツコツドカンになりやすいため、利確損切のルールを守れるように努力するほうが望ましいと考えられる。

調整(ちょうせい)

価格水準が下がること。下落と言わずに調整という。価格の上昇が早すぎる時、一旦下落し、時間的な調整を行っているように見えることから。調整と呼ばれていると考えられる。小幅反発は反転ではなく調整と考えるべきであろう。

な行

日利(にちり)

日歩(ひぶ)のこと。今は日利の方が一般的だと思われる。元本に対しての一日の利益割合を指す。

二番底(にばんぞこ)

大勢下落から上昇へと転じる際につける安値を大底と呼ぶが、再び下落し、大底と同じかややずれた価格帯にもう一度底値を付けてくる事。ダブルボトムとも呼ばれる。底と底の間の高値を上回ったところから上昇と判断される。反転する際に必ずしも二番底を形成するわけではない。したがって、二番底と思ってもさらに下落することもある点は注意。二番底は概ねダイバージェンスが確認される。二番底は黙って買えという格言もある。日足以上で見て、二番底のダイバージェンスが出ていたら狙い目である事は事実である。

ニューヨーク市場(にゅーよーくしじょう:NYしじょう)

世界で2番目に取引の多い市場である。ニューヨーク時間は22時30分~23時30分に始まり、5時~6時に終わる。ドルは世界一取引される通貨であることから、ニューヨーク市場の動く時間帯も取引は活発となり、値動きも大きくなる。特に、ロンドン市場と重なる時間帯は取引が活発である。ニューヨークは株などの取引きも考えると、最も注目を集める市場のひとつであることは間違いない。

ネックライン

基本的にはヘッドアンドショルダーズトップ、三尊の谷部分を結んだ線のこと。ヘッドアンドショルダーズボトムと逆三尊形の場合は頂点同士を結んだ線のこと。水平であったり、斜めであったりする。また、「ボトルネック」を意味するネックとかけて、注目される価格帯のことをネックラインと呼んだりすることもある。

年利(ねんり)

1年間の利益の元本に対しての割合のこと。一般的な利息の計算は年利で行う。投資の方法によっては様々な年利があり、株やFXでは100%を超える人もざらにいる。しかしながら、初心者はいきなり年利100%を狙うべきではない。今は銀行金利がほぼ0なので少しでも利益が出ればよいと考えよう。

難平(なんぴん)

買い下がり、売り上がりを指す。カタカナで「ナンピン」と書くことが多い。難を平らにするために行われる。つまり、含み損があるときにポジションを増すことで平均値を変えること。逆張りで発生しやすく、無策にナンピンすると、すぐに資金が無くなる。相場格言として、「下手なナンピン素寒貧」がある。しかし、資金的余力を十分に残しながら、計画的にナンピンするのは特に問題はない。その場合はドルコスト平均法に似てくる。特に主要通貨は価格が0になるようなリスクはないため、高値安値をいずれ循環する。そう考えると、資金が無限にあればナンピンは最強の戦略の一つ言える。大金持ちのなせる業である。

は行

売買高(ばいばいだか)

取引のうち成立したものの数。買いと売りの合計のこと、買いまたは売りの片方の場合は出来高と呼ばれる。FXでは注文数は見えないので、出来高で意識されるポイントを探る人もいる。トレンドが出た際には出来高、売買高を伴うことが多いとされている。

始値(はじめね)

はじまりねと読む人もいるが、はじめねが正しい。伝われば良いと思う人もいれば、心の中でバカにする人もいる。寄付(よりつき)とも呼ばれる。株式市場のような非連続な市場では、前日終値と始値が異なる場合がある。その結果、特異的なローソク形状を作ることがあり、重視されることもある。大きくずれた終値と始値の関係を窓と呼んだりもする。また、連続市場であっても、微妙に終値と始値がずれることは観測される。

半値押し(はんねおし)

押しとは押し目のことである。つまり、上昇トレンドからの一旦の下落ポイントであり、上昇の価格幅に対して、半分のあたりまで下落してきたポイントのこと。上昇で利確した人たちと天井圏で売っていた人たちの利確が入り、さらに新規の買いが入りやすいため、価格が上昇しやすいポイント。直近高値付近に損切り設定をする人が多いことから、ブレイクアウトする際には大きく伸びるため、リスクリワードの良い点となる。

半値戻し(はんねもどし)

戻しとは下落トレンド方向に対し、反対の方向に値が進むこと。したがって、半値戻しとは、高安値の変動の間で、安値を付けた後に、半分まで価格水準が戻ってきたことを指す。対義語は半値押し。ただし、言葉の意味的に、「戻し」と表現した場合は上昇でも下落でもトレンドと反対方向に動いた際に使われる。

引値(ひけね)

終値のこと。市場が引けた際の値であることから、引値という。終値の項目を読まれたい。

日歩(ひぶ)

日利(にちり)とも。日利の方が今は一般的。日歩だと通じないことも。一日の元本に対する利益の割合を指す。1円でも黒字ならそれでいい。とにかく負けないことを目指しましょう。

Pips(ぴぷす、ぴっぷす)

Percentage in point(pip)の複数形。クロス円の場合は小数点以下2桁を指し、ドルストレートなどで小数点以下が4~5桁の場合は小数点以下4桁を指す。金などは小数点以下1桁で計算される。価格推移をみるために用いられるが、通貨ペアによって重みは異なる。例えばポンド円の値動きは日に100pipsを超えることもあるが、ランド円などは1年で100pips程度しか動かない。また、クロス円以外のxxxyyyの通貨ペアでは変動したpipsにyyyJPYのレートをかけたものが実際のpips変動となる。

フォーメーション

フォーメーションとは形状のこと。すなわち、チャートの形から今後の価格推移を考えること。パターンとも呼ぶ。リバーサル(反転)とコンティニュエーション(継続)の形がある。相場はフラクタルな構造を持つため、1分足から月足まで様々な時間足で確認可能であるため、上位足ではリバーサル、下位足ではコンティニュエーションと見えてしまうこともあって、チャートの形だけで判断するのは難しい。しかしながら、意識している人はとても多いので、三尊などは当てはまりやすい。

フラクタル

フラクタルとはフランスの数学者ブノワ・マンデルブロが導入した幾何学概念を指している。自己相似を指す単語。部分と全体が同じ構造をしているようなものを指す。自然界の様々なところに表出するが、数学的には極限を考えるため、実際の自然界に完全なフラクタルは存在しない。近似ではあるが、腸管の構造や血管の配置、リアス式海岸等、極小単位が集まっても構造的に同じような形状を示すものは無数にある。ランダムなように見える動きの集合が規則正しく見えてくることから、相場のランダムな動きも、短期の波が集合し、長期の波を構成していくと考えられる。相場が真にフラクタルであれば、上位の足から下位の足を分析しても、下位の足から上位の足を分析してもどちらも予測できることになる。ちなみに、マンデルブロ本人は株価チャートからフラクタル構造の着想を得たと言われている。

ブレイクアウト

Break outとは突破することを指す単語である。したがって、相場の世界では意識されていた価格帯を突破し、相場の均衡が崩れることを意味する。レンジ相場をどちらかに抜けた場合に良く用いられるのは、意識された価格帯に損切り設定がされているため、価格が勢い良く伸びやすいから。買い目線と売り目線が拮抗する価格帯で起こりやすい。チャートパターンとして三角保合、ディセンディングトライアングル、アセンディングトライアングルなどの均衡を破る点もブレイクアウトと呼べるだろう。

ポジポジ病(ぽじぽじびょう)

トレード中毒のような状態。とにかくポジションを取りたい衝動に駆られる状態、もしくは、取ってしまうことを指す。明確な根拠なくポジションを作ってしまい、無駄な損切を繰り返してしまうことも、ポジポジ病と言われる。とにかく負けている人を指す言葉。スキャルピングで、小さく利益を取り、勝てている人にはポジポジ病とは言わないため、負けやすいトレーダーの代表的な状態としてネガティブな意味を持っている。「ポジポジ病が治らなくて…」などと自虐的に使うこともあるが、負けの言い訳をするのはトレーダーとして良くない。直せ。

ボラティリティ

volatilityとは不安定さのこと。相場の不安定さは、値動きの荒さを示す。したがって、乱高下するような相場をボラが高いなどと表現する。ボラティリティはある程度一定の幅で推移する。つまり、1日に動く値幅はある程度決まっている。したがって、ボラティリティの平均値程度の値動きがあった場合、そこで反転するかもしれないと予測することも可能である(もちろん一方向に動き続けることもある)。まれにボラリティなどと間違って使っている人がいるが、素人か詐欺師である。注意しよう。

ボリンジャーバンド

米国のジョン・ボリンジャーが1990年頃に発表したチャート分析法のこと。BB,ボリバンとも呼ばれる。設定した期間の終値から標準偏差を計算し、同じ期間で書かれた移動平均線に±aσの線を加えている。日本では逆張りによく使われるが、本来は順張りに使うべきものとされる。これは標準偏差の扱い方を間違ってしまっているために起こっている。正規分布するデータは平均値を中心に、±1σの間に約68.2%、±2σの間に約95.4%、±3σの間に約99.7%が収束するという性質を示す。一般にボリンジャーバンドの期間設定は20であるが、期間20のデータが正規分布するには、20本のローソク終値が移動平均を中心に上下に10本あるようなレンジの状態である必要がある。しかし、ひとたびトレンドが出てしまうと、終値は移動平均の上、または下にすべて集まってしまい、正規分布しなくなる。したがって、±3σの間にデータは回帰しない。この点を把握していないと、3σ逆張りでトレンドに巻き込まれて資産を減らすことになる。むしろレンジ状態かつ、移動平均の上下どちらかに終値が集まっている状態でのσタッチで順張りエントリーするほうが利益を得やすい。

ま行

マックディー(MACD)

Moving Average Convergence and Divergenceの略で、マックディーと発音する人が多い。価格変化を示すオシレーターの一種で、1985年にジェラルドアペルが発表した。日本語では移動平均収束発散法と呼ばれる。期間の異なる2本の移動平均線の収束と発散を視覚化することで、トレンドの強弱をはかろうとしたもの。慣れてくると何となくローソク足だけでMACDの形状もわかるようになる。割と利用者は多いようである。

窓(まど)

隙間のこと。ギャップとも。様々な業界で隙間を窓(window)と呼ぶ。相場での隙間は価格の無い部分を指す。通常終値と始値は同じであるが、ローソクが切り替わる際に大量の注文が入ると終値と始値がずれる。最も顕著なのは週明けに値段が大きく動くことである。週末に何か相場に大きな影響を与える情報が出た際に、一方的な注文が貯まり、窓が生まれる。週末持ち越したポジションで大損したり、爆益になったりする。バクチのようなトレードになってしまうため、週末にはポジションをクローズする人も多い。その為、金曜日は特異的な値動きをすることがあり、その終値は特に意識される。終値が意識されるため、開いた窓は閉じる傾向にある。この窓が閉じやすいという傾向を信じ、月曜朝一に窓が閉じる方向にポジションをとる人もいる。しかし、そのまま数か月~数年間、窓が埋まらないこともある。気を付けよう。窓を埋めない動きの時は強いトレンドと判断する人もいる。

マルチタイムフレーム分析(まるちたいむふれーむぶんせき:MTF分析)

時間軸を変更しながら分析を行うこと。相場の構造はフラクタルであるという考え方から来ている。例えば、1分足、5分足、15分足が上昇トレンドにあったとしても、1時間足が下降トレンドであれば、短期足の上昇は、下降トレンドの中の一時的な戻しと考えられ、上昇トレンドに見えていても売りを仕掛けるべきと考えたりする。通常、長期足の流れの方が強いと考えられており、重視される。しかし、トレンドの転換は短期足から始まるため、短期の上昇が長期の下降トレンドを飲み込むタイミングも必ずあることを忘れてはならない。

揉み合い(もみあい)

横這い相場のことで、価格推移が上下に行ったり来たりを続けている状態のこと。短期足から長期足まで見られる。一定の幅(レンジ)で動くことからレンジ相場とも呼ぶ。高値圏、安値圏で売り買いが拮抗することから生まれると考えられる。レンジを抜けるまでの期間が長いほど、抜けた際の価格推移は勢いが強いと考えられている。また、抜けた方向にレンジの幅と同じ値幅を出すことが多いとされている。

や・ら・わ行

約定(やくじょう)

やくじょうと読む。やくていと読むと素人であることがばれるので注意。言葉の意味は契約することなどであるが、相場の世界では注文が成立することを示す。

安値(やすね)

チャートを見ている際に価格が下落から上昇に反転したポイント。その価格を安値という。底値と呼ぶこともある。安値の中でも最も価格の低いものを最安値と呼び、最も意識される値と考える人もいる。二番底を狙う場合、時間足が短いと、見えている最安値が実は最安値ではなくって抜けていってしまい、大損となる場合も。長期の視点を持つようにしよう。

寄付(よりつき)

始値のこと。非連続なローソク足は、始値が決まるまでに注文がたまり、市場が始まったとたんに終値と始値が乖離することがある。市場が始まった瞬間買いと売りが寄り付く値であることから、寄付と呼ぶ。一説には、遊郭での最初の客に寄り付いたことが語源ともいわれている。

楽観相場(らっかんそうば)

強気相場ともいわれる、イケイケ相場でどんどんと高値を更新していくような相場のこと。相場に対して楽観視していても儲けが出る。しかし、油断していると急落によって利益を吹き飛ばしてしまうことも。強気の相場こそ、しっかりとチャートを見なくてはならない。、どんどんと価格を上げる動きが、牛の角を用いた攻撃方法に形が似ていることから、強気相場を「ブル(Bull:牡牛)マーケット」とも呼ぶ。

利確(りかく)

利益確定の略。含み益を決済することで利益として確定させること。投資において、含み益はただの数字でしかなく、利確して初めて利益となる。したがって、非常に大切な作業。しかしながら、とても難しいことでも知られ、利確したら価格推移がするすると伸びていくのは投資家あるあるとして知られる。前回高値、N値・E値、様々な方法で利確目安は考えられているが、とにかく大事なのはルールを守ること。利益が減少するのに耐えられずに利確してしまうことを「チキン利確」等とも呼ぶ。

利確千人力(りかくせんにんりき)

千人力とは千人相当の力となること。つまり、利確は素晴らしいということを示す。ただ、この言葉を使っているとき、その利確には少なからずネガティブなイメージが持たれている。つまり、チキン利確の言い換えの場合がある。狙って取った3pipsは利確千人力であるが、不本意に取った3pipsはチキン利確と呼ばれるべきである。ただ、黒字である以上、良い事であるのは間違いではない。コツコツドカンにならないように気を付けよう。

両建て(りょうだて)

買いポジションと同時に売りポジションも持つこと。建玉時に同時に持つ場合もあれば、利確せずに反対ポジションを持つこともある。口座によっては片側の証拠金のみで良いため、うまく使うと資金効率を上げることができる。ただし、スプレッドを倍払うとも考えられる。スイングとデイトレを組み合わせるような運用も可能になる。また、グルトレと呼ばれる方法も両建てを利用している。

ルーニー

カナダドルのこと。カナダドルの1ドルコインにはアビという水鳥が書かれており、この鳥はLoonといいます。そこから、カナダドル自体のことをLoonieと呼びます。

ロンドン市場(ろんどんしじょう)

為替取引において、1日あたりの取引量が最も大きい市場である。日本時間の16時~17時に始まり、0時~1時に終了する。夏時間冬時間で開始-終了時間がずれることに注意が必要である。取引が活発に行われているため、値動きが大きい。また、日本市場と反対方向に動くことも多いため、日本市場の動きの逆張りを行うトレーダーも多いらしい。特に週明けで反対に動きやすと噂されている。実際、利確の動きや、1日の変動幅を考えると、出来高の上がる、ロンドン市場開始時間はトレンド転換、トレンド加速が起こりやすい。

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