今回から新しい分野「タックスプランニング」に入ります。
日本には様々な税制があります。税金の扱いを知ると、家計改善が行える場合があります。したがって、FPとしては基本的な税制を知っている必要があります。
なお、確定申告の代行や、具体的な税金の計算などはFP資格では行うことができません。試験にも問われる項目です。気を付けましょう。
今回は簡単に所得税について見ていきます。税制については他のところでも見ますので、タックスプランニングで見ていくのは、所得税、法人税、消費税です。
日本の税制
日本の税制は大きく分けて国税と地方税があります。
さらに、直接税と間接税があります。
国税は、地方税の違いは納める先が違います。一方、直接税、間接税の違いは、ダイレクトに納めるのか、企業等が変わって納税するのかの違いです。
それでは、所得税について見ていきましょう
所得税
所得税はその名の通り、所得に応じて個人が課税されるものです。
1月1日から12月31日までの間に得た所得に対して課税されます。
課税は累進課税で、所得額が多ければ多いほど税率が上昇します。
納税義務は非永住者以外の居住者のすべての所得にかかります。
非永住者とは、日本居住者であるが、日本国籍を有さず、過去10年のうち国内に住所または居所を有する期間が5年以下の個人を指します。
非永住者の課税対象は
- 国内源泉所得
- 国外源泉所得のうち国内で支払われたもの
- 国外源泉所得で国外から送金されたもの
さらに、日本に住まない個人であっても、国内源泉所得は課税対象です。
非課税になる所得
所得のうち、以下のようなものは非課税になります。
- 通勤手当(上限15万円/月)
- 出張等の経費
- 優遇税制のある預貯金
- 障害給付と遺族給付
- 失業給付
- 生活保護給付
- 宝くじ当選金
- 慰謝料
- 損害賠償金
- 生活用動産譲渡益(フリーマーケット等)
所得税の計算
次の流れで、所得税は計算されます。
1.10種ある所得から必要経費等を差し引いて所得を計算する。
2.一定の所得で赤字があれば損益通算を行う。
3.所得控除を差し引いて、課税所得を計算する。
4. 課税所得に応じた税率を用いて、税額を計算する。
5.税額控除を差し引いて、すでに納税されている分等を除いたものが申告納税額となる。
場合によっては徴収されすぎた税金が戻ってきます。
計算時には超過累進税率を用いる部分と、分離課税として、それぞれの所得に応じた税率を用います。
なお、平成25年から25年間所得税額に2.1%を乗じた額を、復興特別所得税として納めます。
所得の種類
所得の種類は10種類あります。それぞれについては別記事で紹介しています。また、損益通算の話も同記事に記載されています。
また、控除の話はこちらを参照してください
次回は、所得税の申告等について解説します。