今回は個人年金保険について解説します。老後に必要な資金は統計の見かけ上は非常に高額です。2019年6月頃に老後資金は2000万円必要と言われ騒がれました。

FPを目指すならこの数値は覚えておいてください。平均値から見るとこの程度必要になるのは事実です。しかしながら、人によって生活の質は異なりますし、平均から割り出した値なので、無理のある数値です。

そうはいっても老後は不安でしょうし、できるなら豊かな生活をしたいでしょう。

それを考えたら老後のための対策はしておくにこしたことは無いですね。

そういった観点から見るとこの個人年金保険も老後の備えとして重要になると考えられます。

では、見ていきましょう。

個人年金保険

個人年金保険とは、老後資金の準備を目的としています。大きく分けて定額年金保険変額年金保険があります。

前者は受け取り時の金額が決まっているもの、後者は運用結果次第で受け取り時の金額が変わってしまうものを言います。どちらが良いとは一概には言えません。

いずれにしても以下のような種類のものがあります。

個人年金の種類
  • 有期年金
  • 確定年金
  • 終身年金
  • 夫婦年金
  • 変額年金

それぞれの特徴を押さえましょう

有期年金

有期年金とはあらかじめ期間の定めのあるものを指します。例えば10年や15年などで受け取ることができます。ここで気を付けなくてはならないのは有期年金では契約者が生存している必要があります。

つまり、契約者が死亡した場合には受け取れなくなるので、支払った額よりも受取額が小さくなることがあります。

確定年金

確定年金は有期年金と異なり、受け取り期間が定められてはいるものの、契約者の生死にかかわらず、一定期間年金が支払われます。支払われることが確定している点が特徴です。しかし、一般的に有期年金より受取額が小さくなることが多いです。

終身年金

終身年金は言葉の通り、終身で年金を受け取ることができます。つまり、契約者が生存中は一生涯年金が支払われ、契約者が死亡した際に打ち切られます。

一般に期間の定めのある年金よりも一回当たりの受取額は小さくなりますが、生存期間が長ければ長いほど得する年金といえます。人生100年時代となりましたので、おすすめするなら終身年金が良いでしょう。

ただ、老後の始まりに多額のお金が必要で(旅行などをしたい)、後期高齢者となった際にはあまりお金は必要ないという人もいますので、その人の価値観に寄り添ってFP的アドバイスができるようになりましょう。

終身年金の場合、平均寿命の長い女性は、同内容の保険の場合、男性よりも保険料が高くなります。

夫婦年金

こちらは結婚してパートナーがいる場合に有用な年金です。

名前の通り、夫婦のいずれかが生存している限り年金を受け取ることができる終身年金です。

一般に女性のほうが長生きします。特に男性が年上で、妻との年齢差がある場合は非常に有用な年金といえるでしょう。

デメリットがあるとすれば、ほかのタイプよりも一回当たりの受取額が小さくなります。

変額年金

変額年金は、年金額が決まっておらず、受け取り時までの運用状況によって受け取ることのできる年金額が変動するものです。

最低保証がありませんが、通常終身年金なので長く生きていれば運用状況が悪くても元を取ることができます。

ただし、死亡給付金については基本保険金額が最低保証されています。

その他の保険(保障)

その他の保険とは様々ありますが、ここでは医療保険と生前給付保険、保険料払い込み免除特約などについて説明します。

医療保険(特約)

医療保険とは、病気やけがの際に使う保険です。生命保険の特約として付ける場合もありますし、単独で入る場合もあります。

入院や手術に際して、日数などで受け取れる額が変わります。

また、退院後、180日を経過した場合には、前回と同様の疾病であっても、支払日数は再計算されます。逆に、180日以内に同症状で再入院した場合は、1回とカウントされ、入院給付の上限に達しやすくなってしまいます。

FP的には若い人には無理に入らないように勧めるのも一案です。なぜなら、入院や手術の可能性が低いからです。実際、若いうちに加入する医療保険は低額で若いうちに入ったほうがお得といわれますが、若いうちはとにかく資産形成に回すほうが得策ですので、資産形成を進めるべきだとFP嶋は考えております。

生前給付

生前給付とは、特定疾病保障保険ではがん、心筋梗塞、脳卒中で所定の状態と診断された場合に、死亡保険金が生前に同額受け取れるものです。

一方リビングニーズ特約では、上記の疾病以外でも被保険者が余命半年の宣告を医師にされた場合に死亡保険金の範囲内で、保険会社の定める範囲内の保険金を生前に受け取ることができるものです。

保険料払込免除特約

保険料払込免除特約はそのままですが、特定の疾患や、定められた要介護状態などに陥った場合に以降の保険料の払い込みが免除されるものを言います。


以上で生命保険関係は終了です。

FPとしても、自身の人生としても保険についてはしっかり学ぶべきです。

例えば、家庭を持ったり、子供ができたり、様々なライフステージで備えるべき保険は異なります。

しかし、残念なことに日本では全くそういったことについて学ぶ機会がありません。

次回以降に続く生命保険と税金関係についても重要なものです。

保険を見直すことは定期的に行われるべきであり、人生観、ライフステージ、資産形成等において重要な要素です。FPとして適切な助言ができるように、しっかりと押さえておきましょう。

なお、とても大事なことですが、FP資格だけでは保険の募集は行うことができません!

これは頻出項目なので忘れないでください。

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