5回目ではインジケーターではなく、トレーディングビューのデータエクスポート機能を使って、データを抽出してみようと思います。その際、ちょこっと統計的なことも触れてみたいと思います。
陽線と陰線
チャートは四本値を使って足を書いていきますが、openよりもcloseが上の陽線と、closeの方がopenよりも小さい陰線がありましたね。ローソク足の統計について書いた記事もあります。今回はそんな感じの統計を取ってみたいと思います。
何はなくとも陰線か陽線かがわかれば良い
陰線と陽線の定義は open < close が陽線で open > close が陰線です。
これを正確にとっていこうとすると、プログラム的にはif文というのを使って描く必要がありますが、今回はざっくりわかれば良いという事で、終値のみで考えていきます。
実際問題としては、終値は次のローソクの始値と一緒ではありません。
例えば週明けの始値は前週の終値と大きく乖離して、いわゆる「窓」というものを作ってしまったりします。ですが、通常の連続するローソクの場合はほぼ終値と始値は同じになります。
そこで、前日終値と今日の終値を比較することで、陽線か陰線かを判断することが出来ます。
つまり、当日終値 ÷ 前日終値 が 1より大きければ陽線 1より小さければ陰線と考えられます。
これをプログラム的に表記してみましょう。以下のように書けます。
// This source code is subject to the terms of the Mozilla Public License 2.0 at https://mozilla.org/MPL/2.0/
// © FP嶋
//@version=5
indicator("統計")
rousoku = close[0] / close[1]
plot(rousoku, " 陰線陽線変化率", color = color.aqua)
これをチャートに追加すると
こんな感じですね。[1]は1つ前の足、[0]は当日の足を示します。1.000を境にギザギザしているのがわかりますね。写真の方はプログラム間違っていますけど、細かい事は気にしない。
この値をエクスポートするには、左上の3本線からチャートデータのエクスポートを選択します。
残念なことに文字化けしました(笑)。
今回はエクセルでいじりますけど、Rなどで扱うことも考えて、plot()のタイトルはローマ字で付けましょう。それは置いておいて、F列が今回FP嶋が設定したplot(rousoku,"陰線陽線~")の値が入っています。””の中のタイトルをローマ字表記にしていれば文字化けせずに入ったはず。
さて、この値を統計処理してみましょう。
平均値と標準偏差を出してみました。
平均値はエクセルでは =average(範囲)で計算してくれます。範囲を数値で指定する場合は今回の場合(F2:F5137)と入力します。
標準偏差はばらつきの程度を表す統計要約値です。正規分布する値の場合、平均±1標準偏差(σ)に約68% 平均±2σに約96%が収まるとされています。
エクセルでは =stdev.p(範囲)で計算してくれます。バージョンによってはstdevの後に何を付けるかで微妙に異なりますが、そこらへんは割愛します。.pは得られているデータがすべてのデータであるとしたときの標準偏差です。
さて、この値が実際にどんな分布になっているのか見てみましょう。
ヒストグラムを書いてみました。ヒストグラム自体はエクセルのデータ分析という機能を使いましたが、今回詳細は省きます。 google先生に聞いたら教えてもらえるはずです。
これを見る限り若干陽線側にゆがんだ分布をしていますね。まぁ正規分布とみなしても良さそうなものですが、以前にお知らせしたローソク足の分布でも若干陽線の方が多かったので、陽線の方が出現しやすいのかもしれません。そう考えたらとりあえずロングしとくのが意外と強いという事かも。
こんな感じで、データをエクスポートすると、トレーディングビューだけでは出来なかった解析も出来るようになってきます。
しかしながら、相場は生き物。 全データを使って解析することが本当に良いとは限りません。
下落トレンド中に、確率的には陽線が強いから!ってロングしたら資金がいくらあっても足りません。そういうわけで、インジケーターなりなんなりの相場の動きを示す指標を見るわけですね。
今回はこのへんで!次回は具体的なインジケーターを使ってみていこうかなと思います。
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