例えばUSDJPYなどの価格は何によって決定されているのでしょうか?そういった点について考察をしてみたいと思います。
見えざる手
経済学者のアダム・スミスは市場参加者が自らの利益を追求し続けることで、結果的に全体として効率的な経済活動となり、経済成長を進める。
この、結果的には最善な方法に行きついてしまう現象のことを「見えざる手(Invisible Hand)」と表現しました。
後世の人が、この「見えざる手」に、「神の」という言葉を付け足したので、今では「神の見えざる手」という形で知られています。
また、この「神の見えざる手」という表現にした場合には、社会の需要と供給のバランスを指し、価格決定が需要と供給に自然と調整されていくとされています。
つまり、何が言いたかったかというと、為替の価格は需要と供給で決まるということです。
需要と供給
為替の価格決定は需要と供給に依存するだろうということがわかりました。
では、需要と供給って具体的には何でしょうか?
為替取引は8~9割が投機的取引と言われ、実需は1~2割だと考えられています。
これは、1日の為替取引量と貿易関係の取引量から推測された値です。実際のところは正確にはわかりませんが、少なくとも投機筋による取引によって、為替の動きは決まっているだろうことが推測されます。
投機的需給
さて、ここで考えなくてはいけないのは、通常の投機筋の取引は、必ず反対売買があるということ。つまり、買ったら、売りの決済がいつか同じ量入りますし、売ったら、買いの決済がいつか同じ量入ります。
何が言いたいかというと、この需要と供給のほとんどが、虚であるということ。
なぜなら、買いと売りの注文は将来的に0になるからです。
しかしながら、一時的とはいえ、買い注文が多くなって、価格が上昇し、利確の決済や、新規の売りが入って、同じ程度の振れ幅で下落してきます。しかし、実需分ズレが生じます。
長期的にみると、この実需分の影響が相場を動かしているとも言えるでしょう。
時間的需要
また、特異的な時間帯に実需が集まることがあります。よく言われるのが5-10日(ごとうび:決済が良く行われる日)の仲値(9:55分にその日の為替レートが決まる時間)に円安になりやすいとか、ロンドンフィックスと呼ばれる深夜帯も特徴的な動きをすると言われています。
また、市場が切り替わるタイミングも、大きく投機的需要が偏ります。
後は、外貨預金なども月初月末建てなら需要が偏りますし、外国の株式等を組み入れた投資信託などもある程度一定の時期に買い付けが行われていると言われています。また、水曜日はスワップが3倍になるため、スワップが大きくプラスになる通貨は買われやすくなったりすることもあるようです。
結局、すべてを把握することは出来ないので、チャートから特徴を抽出するしかありませんが、時期や時間帯なども考慮するべきだと思います。
時間的供給
これはスワップと言い換えても良いかもしれません。つまり利息です。
各国の金利は様々ですが、基本的に高金利通貨は貨幣量が増えるので、貨幣価値が低下します。
すぐにということではありませんが、高金利通貨と呼ばれるトルコリラやメキシコペソ、南アフリカランドなどを10年単位で確認していただければわかると思います。
チャートを作るのは投資家の戦い
ほとんどが投機による需給であることが、つかめたと思います。
したがって、為替チャートの増減を決定しているのは、投資家であると言えるでしょう。ここでいう投資家とは個人であるか機関であるかは問いません。
そうなってくると、投資家の視点というのを持つ必要が出てきます。様々な人たちが、投資家心理を読めば勝てる!などとうたっているのはこういった背景があるからです。
私はあまり投資家の心理を考えたことはありませんが、チャートを見れば何となくわかります。この何となくわかるということ自体が投資家心理なのです。
以下のチャートを見てみましょう。
ある価格帯で反転しているのがわかると思います。
当然ですが、投資家は儲けを出したいので、価格が高い時に売り、価格が安い時に買ってきます。したがって、底値だと思われるタイミングでは買いますし、天井圏と思われるタイミングでは売ります。
したがって、以下のような注文のイメージが作れます。
買い注文が減ってくれば価格の上昇は遅くなって、決済や新規の売りが入ってきます。
その後、売り注文が増えてくれば価格は下がり、決済の買い注文や新規の買い注文が増えてきます。
この、価格推移を様々な方法で分析していくことになります。簡単ではありませんし、100%勝つことも不可能です。
確率的に利益を上げられそうな方向にトレードをし続けていき長期的視点で考えていくことが重要です。
チャートにみられる需給関係を見抜くことで、優位性の高い位置でのトレードが可能になります。
当サイトでも少しずつチャート分析について解説していきます。
チャート分析を行うのであれば、MT4かトレーディングビューを使うことをおすすめしています。
私はどちらも使用していますが、メインの分析にはトレーディングビューを用いています。
今回出しているチャート画面もトレーディングビューによるもの。私はPro+という有料のものを使っていますが、無料でも使えます。その場合様々な制約があります。
ただ、チャートソフトは経費として申請が可能ですので、黒字化してくれば特に問題なく課金できます。
もう1つ有名なチャートソフトとして知られているのはMT4です。こちらは無料で使えますし、EAといって自動売買システムを使用することも可能です。
ただ、トレーディングビューほど使い勝手が良くないのが残念なところ。
基本的にはどこかの証券会社で口座を開設し、そこからMT4をダウンロードするのが一般的です。
おすすめの口座はFXTFです。私はEAをFXTFで運用しています。
FXTFはスプレッドが国内で最も狭い部類に入るので、おすすめしています。