資産形成をするうえでは、様々な計算ができると優位に運用が可能です。簡単な統計基礎は覚えておいて損はありません。ここでは簡単な数学的知識、統計的知識について記します。

統計基礎

統計というと難しそうに聞こえます。実際難しい部分もありますが、本当に基礎の部分は小学生で習うような内容です。振り返ってみましょう

四則演算

意外と忘れがちな四則演算。足す(+)、引く(-)、かける(×)、割る(÷)です。それぞれ、加算、減算、乗算、除算と呼びます。3乗とかって言ったら3回乗算(かける)を行うということです。2の三乗と言ったら、2×2×2=8 となります。また、かける・割るを先に行うため、乗除先行などと言ったりもします。

平均、偏差、標準偏差、分散

まずは、Σ(シグマ)について…。いきなりわからない!ってなるかもしれませんが、Σは単純に全部足すってことです。総和を示します

平均相加平均相乗平均があります。相加とは加えることで、全項目のデータを足した後に項目数で割ったものです。μ(みゅー)で表したり、mと書いたりします。確率的な領域では期待値とも言います

\mu ={\frac  1n}\sum _{{i=1}}^{n}x_{i}={\frac  {x_{1}+x_{2}+\cdots +x_{n}}{n}}

相乗平均とは相加平均とは異なっていて項目数の累乗根で除したものです。もう脱落してしまう方もいるかもしれません。ざっくりいうと項目数分同じ数をかけたときの数値です。項目数が3の時、合計が8の場合は相乗平均は2です。これは2を項目数3乗したとき8になるからです。

\mu _{{\mathrm  G}}={\sqrt[ {n}]{\prod _{{i=1}}^{n}x_{i}}}={\sqrt[ {n}]{x_{1}x_{2}\cdots x_{n}}}

ここでΠ(パイ)はiからnまでをかけたものを示しています。

相乗平均は10年間の利回りを単年度あたりに読み替える際に使います。投資信託などの期待利回りを求められます。しかしながら、あまり有用な結果を得られないことも多々あります。なぜなら、期待利回りは毎年変動してしまうからです。

偏差は平均との差を示しています。さらに、この偏差の平均値が標準偏差です。偏差が大きな集団、言い換えるなら標準偏差が大きい集団は、ばらつきが大きいことを示しています。投資でいうと、平均的な利益に対して、増えたり減ったりする幅を考える際に有用な指標です。標準偏差はσ(しぐま)で表すことが多いです。

有名な偏差値は、平均値を50として、±1標準偏差あたり、±10の偏差値が変動するように、調整したものです。

分散はσを二乗したものです。二乗しているので必ず正になります。意味合いとしては数値が大きければ大きいほど、期待される値が平均値から離れていることを示します。

共分散、相関係数

共分散とは二組の対応するデータの偏差同士をかけたものの平均値です。 

Eを期待値とすると共分散Cov(X,Y)は

{\displaystyle \operatorname {Cov} (X,Y)=\operatorname {E} [(X-\operatorname {E} [X])(Y-\operatorname {E} [Y])]}

となります。この共分散を標準偏差の積で除したものが相関係数です。相関係数は-1~+1の値を取ります。相関係数が正の時、正の相関があるといいます。反対に相関係数が負の場合は負の相関があるといいます。正の相関は一方が増減したとき、もう一方も増減するような組み合わせであり、負の相関は一方が増加した際に、もう一方は減少するような関係を言います。また、以下のような関係があると言われています。

相関係数の範囲評価
−1−0.7強い負の相関
−0.7−0.4かなりの負の相関
−0.4−0.2やや負の相関
−0.20.2ほとんど相関なし
0.20.4やや正の相関
0.40.7かなりの正の相関
0.71強い正の相関

相関係数はアセットアロケーション、ポートフォリオ、FX鞘取り、株の優待取りなどに出てきます。なぜなら最も好ましい分散投資は投資対象同士の相関が-1になるときだからです。ただし、通常は相関係数が-1になるようなものはなく、黒字化しにくいですが、例外がいくつか存在しています。

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事