今回はMT4を利用したEAのお話です。
EAとはExpert Adviserの略で、一定の条件のもと自動的に発注・決済を行ってくれるプログラムです。
たまに、発注のみ、決済のみのものもありますが、通常はセットで勝手に口座のお金を増減させてくれます。
メリットもデメリットもありますので、一概にEAが良いとか悪いとか言えないのですが、投資信託のように分散した状態で稼働させると、比較的安定して、利益を出せることもあります。
MT4についているソフトでEAを自作することも可能です。また、専用のソフトを使ってEAを作ることも可能です。私も自作EAを使っており、バックテスト6年で3600%増で、フォワードテスト(実際の相場に当てはめてみること)でも年利40%程度を実現しております。
自作EAは公開しませんが、ちゃんと利益を上げられるEAはありますよ。というお話です。また、興味がある人は自作してみるのも良いと思います。
EAって何?
EAとはエキスパートアドバイザーの略で、自動売買システムのことです。
MT4上で動くもので、世界中で作られていて、有料、無料で公開されています。また、自作する人もいます。
EAは売買自動化用のプログラミング言語であるMQL4(MetaQuotes Language 4)で記述されています。したがって、MQL4の使い方を覚えれば、自分の思った通りのタイミングで自動的にエントリー、決済を行ってくれるものを作れます。
また、自分の考えた戦略で本当に勝てるかどうか、過去のデータから検証することもできます。(例えばRSIが70以上から70を下回ったら売りエントリーで勝てるかどうか)
ただ、無料EAの中には詐欺的なものもあります。
どんなものがあるの?
これは本当に様々なものがありますし、プログラムの中身を見れないようにしているものが多いです。無料のものは時々ソースも見られて、どのような戦略なのかがわかることもあります。
通常、開発者にとっては、EAはとても大切な子供のような存在なので、中身を教えません。ただ、方向性や、実績については示していることが多いです。
方向性とは、例えばトレンドに沿って順張りするとか、トレンドの転換を狙って、逆張りするとか、または、ある一定の時間帯のみトレードするとか、スイング、デイトレ、スキャルピングなどなどです。
投資のためのプログラムなので、勝ったり負けたりするのは当然と考えましょう。リスクを分散するためには複数のEAを同時に動かすと良いです。
ただ、その際は同じ戦略でないものの組み合わせになるように心がけましょう。
気を付けることは?
- 資金は潤沢に
- EAは複数稼働 or 複数戦略のEAを使う
- ナンピンマーチンゲールは絶対に使わない
- VPSを使う
- ものによっては指標発表時などは稼働を止める
資金は潤沢に
まず、口座に資金を多く入れること。これが一番大事です。
EAはプログラムによってエントリーしますが、勝率100%は起こりえません!
したがって、負けるけれども期待値的に黒字になるだろうというスタンスが必須になります。この際、多少の連敗で資金が無くなってしまっては、黒字化する前に破産してしまうのです。資金は多めに準備しましょう。といっても10万円も有れば十分に稼働できるものがほとんどです。
EAは複数稼働 or 複数戦略のEAを使う
次に複数戦略ですが、中身がわからない以上、正直わかりにくいです。
本来、分散投資戦略は、値動きが相関しないほうが良いです。もしくは逆の相関をするのがベストです。
つまり、EA1はトレンド相場は苦手だけど、レンジ相場に強いとしたら、組み合わせとしてベストなEA2はトレンドが得意で、レンジは苦手なものです。
第3の選択として、トレンドもレンジもそこそこ得意なEAなどを選ぶと良いでしょう。
複数準備しても、方向性が同じEAばかりだと、苦手な環境になったときに大きな損失を被るかもしれません。
私の開発したEAは1つのEAの中に3個の戦略が入っているので、リスクを下げられています。EAを自作しようという人は、複数のEAを作るか、1つのEAに複数戦略を導入しましょう。
ナンピンマーチンゲールは絶対に使わない
ナンピンとは、買い戦略の最中にさらに下落したら、買い増しするもの、売り戦略の最中に価格が上昇したらさらに売り増すものです。
この戦略自体は、大きな問題を持ちません。ただ、資金管理が徹底されていないと損失が大きくなります。
マーチンゲールとは、勝つか負けるかの2つの選択肢しかないことから、負けたら倍額をかけることで、勝った時に前回の負け分を帳消しにするというギャンブルの必勝法です。
連敗したら連敗した分、掛け金を倍にしていきます。勝つか負けるかしかないので10連敗は難しいという発想です。例えば、以下の条件で試行するとします。
- 勝率は1/2
- 勝ったら資金倍
- 1回目は1単位、負けたら2回目は2単位、連敗したら回数ごとに掛け金を2倍にする
ご覧のように、負け続ける確率はどんどんと減っていくのに対し、1回でも勝てば1単位黒字が出ます。一見必ず勝てるように見えます。
必勝法とは言いましたが、前提条件として、掛金が無くならないこと、掛金に上限がない事、参加料がいらないこと、が必要です。
- 資金が無制限
- 掛金の上限がない
- 参加料がいらない
実際は参加料がとられることが多いです。FXでいうならスプレッドが必要です。
また、掛金の上限も問題になります。FXでは取引上限がありますので、負け続けたら、黒字が出なくなります。
さらに、資金が無制限に必要ですね。何連敗することを想定するかにもよりますが、10連敗を想定したら、最初の資金の1000倍以上が必要です。しかし、利益は常に0.1%です。
なぜこのようなEAが存在するかというと、短期的にはナンピンマーチンゲールは負けにくいことと、資金が無くならない限り、取引量がどんどん増大するためです。
一部の業者では、紹介者のある口座では取引量に応じて、紹介者に報酬を与えています。したがって、たくさん取引してもらえると、紹介者は得するのです。
これ自体は問題ないのですが、ナンピンマーチンゲールEAを無料であげる代わりに、指定の口座で取引するようにと言われるものには注意が必要です。
必ずしも、負けるEAではなく、優良なEAの可能性は否定しませんが、上述のように、ナンピンマーチンゲールEAは確率的にいつか破産する戦略です。
VPSを使う
EAは、自動で売買してくれるシステムですが、プログラムを常に稼働させている必要があります。
自宅のPCをずっと電源入れっぱなしにするのでも良いのですが、電気代はかかりますし、勝手に再起動されたり、停電したりとリスクもたくさんあります。
そこで、実際のPCではなくクラウド上でPCを動かすというVPS( Virtual Private Server)が活躍します。
私もVPSは使用しております。MT4はFXTFのものを利用しています。
ものによっては指標発表時などは稼働を止める
EAは突発的な値動きに弱いものもあります。そして、突発的な値動きは指標発表などによって定期的に起こっています。
もっとも有名なのは月初めの金曜日21時半ころにあるアメリカの雇用統計。
この時間をさけるだけでも多くのEAは安定します。
他にもヨーロッパ関係の指標発表等でも動きますので、ニュースと合わせて、EAのON/OFFを管理する必要が出てきます。
自作EAなら特定の時間だけ動かないようにしたりすることもできます。私のEAはそもそも指標の値動きではエントリーしないのでずっと運用しっぱなしですが。
ちなみにEAのON/OFFはVPSなら外出先からでもできます。
どんなEAが良いの?
難しい質問です。今回は長くなったので、EA選びについて分けて解説します。