
ついに民事訴訟起こしました。訴訟は結構大変です。いや、めちゃくちゃ大変です。相手がクズならなおさらです。前回の警察編から、今回は民事訴訟編です
クラクションの大きな音が出ます。視聴の際は気を付けて下さい。
民事訴訟
あおり運転は犯罪です。その結果、損害(目に見えない精神的なものも含む)があれば賠償義務があります。相手が仕事中だったりする場合は、雇用主にも責任があります。したがって、私は相手企業に対して訴訟を起こしました。また、運転手の個人情報がわからないという点もあります。
ちなみに、ナンバーさえ分かっていて、裁判に必要と言えば、少なくとも車の所有者の照会は可能です。弁護士を頼めばなおさら簡単ですが、基本的に20万~の費用が掛かると思ってください。
なお、所有者が、あおり運転を行った本人ではない可能性がある点には注意が必要です。
訴訟まで
一般的に皆さんそうだと思いますが、訴訟なんて起こしたくありません。したがって、まずは、相手企業に「損害を補償して欲しい」と内容証明郵便を送っています。この際求めたのは、損害賠償として50万円と、ドライバーに対する安全運手講習の徹底でした。
こちらの本気度が伝わらないのか、一度目は無視。
無視されたので、刑事告訴(実際は被害届)して運転手には処罰が下りましたが、企業は無視。2回目の内容証明郵便を送っても無視。さすがクズ企業です。
ちゃんと、内容証明にも訴訟起こしますって書いておいたんで、訴訟を起こしました。起こした訴訟は「損害賠償請求訴訟」で、少額訴訟という60万円以下の損害賠償なら使えて、一回の期日で終わるものにしました。これは簡易裁判所で行うものでしたので、簡易裁判所に提訴しに行きました。
しかし、「ものすごく混んでるので、一般の訴訟の方が早いかも。」っと裁判所側から提案されたので、一般の訴訟にしました。それなら、訴額も上げて、安全運転講習も義務づけるようにしておけば良かったなっと後悔。
証拠「ドラレコ映像」を見てもらった結果、たぶん相手側が弁護士立てて争ってくると思います。って優しく書記官の人が教えてくれます。手続きに関しては、裁判所の人はとても良くしてくれました。
訴訟提起後
訴訟の提起自体にも費用が掛かります。弁護士を間に入れなければこの費用自体は1万円前後。後は請求する額に依存します。ここら辺の話は裁判所のホームページに詳しいですし、実際訴訟する裁判所によって微妙に異なるようなので、連絡してみてください。
少なくとも、手続きに関しては親身になって教えてくれます。
また、相手が法人の場合は、相手法人の登記簿を取る必要があります。こちらはネットでできますが、裁判手続き毎に必要で、地味に費用と時間がかかります。
訴状が相手側に届くと、第1回期日に出席しませんと連絡が来ました。良くあることのようですが、本当にふざけた話ですよね…
っていう連絡が裁判所から来て、本来的にはこちらだけ出席するのですが、裁判所が言うには、特にやることないので、次回期日決めますって電話で終わりました。
代理人弁護士との交渉
もっと争うかと思っていたのですが、相手方は違法行為自体に関しては争わない(つまり認める)で、和解したい。と申し出てきました。こちらとしても、訴訟継続は望んでいませんし、解決できるのであれば、早いに越したことはありません。
そこで司法委員や裁判官、書記官を交えて話をするのですが、司法委員には「あんたがさっさと行けばよかったんじゃないの?」みたいなこと言われて、「それは違法ですよね?」ってキレ気味に答えたのを覚えています。つまり、速度違反して、並走車の前に出ろと…「悪いのは相手ですけど…」と歯切れの悪い答えを司法委員は述べました。この国の司法は腐っているようです。
こちらとしては、賠償額はそんなに重要ではなくて、運転手に安全運転をして欲しいので、和解条項に、「安全運転講習を実施し、それをホームページ上で公表する」という文言を入れてもらって、賠償額は30万円に減額し、和解となりました。
これで、この問題は解決し、一件落着。
…と思っていた時期もありました…
やはり、クズ企業はクズですし、そうはいっても弁護しないといけないのも弁護士。ちゃんと、ひどい和解だという事が後々わかります。
和解調書
裁判では、訴訟の終結は判決が出るか、それまでに裁判所の介入有で和解するか、和解はしたけど、訴訟の外でっていう和解(訴訟自体は取り下げ)などがあります。
私の場合は、相手が、そもそも和解したいとのことだったので、裁判所の介入で和解することになりました。
その際、どのような和解条件とするか、裁判所関係者を挟んで話し合いを行います。基本的には互譲といって、互いに譲歩して和解します。
私としては、80キロ制限の自動車道で、ウィンカー無しの割込みブレーキという、殺人未遂と呼べるレベルの危険運転を受けているので、50万の損害賠償でも安いと思っているのですが、相手が最初に提示した額は5万円の賠償額。
ふざけているのか…?っと当然拒否。
そしたら10~20万なら~と言い出して、最初からその位を考えたうえで、低めに提示してきているんだろうなと思いつつ、そんなん無理です。と回答。
で、最終的には安全講習を行ったうえで、HP上で公開するという条件をつけて、賠償額は30万円まで減額して和解合意。この際、相手弁護士は賠償額の用意はあるけど、安全運転講習に関しては、どのように実現可能か話し合わないと(依頼人と、つまり、あおり運転企業)難しいので、期限や具体的な文言は避けて(表現としてはこんなに直接的ではありませんでしたが)欲しいとのこと。
この条件の引き出し方が後々効いてきます。さすが法律のプロ。クズを一杯守ってきたのでしょう…
私の方も、まぁ代理人で、あおり運転企業自体は同席していないし、「安全運転講習はさせます」という代理人を信じ、「実現可能で具体的なところは私だけで決められない」というのも一理あるなと、納得してしまいました。和解条項の文言は非常に細かいところまで気を配らないと、合意しないほうが良いです。
なぜって?相手(代理人弁護士)は法律のプロ、かつ、相手(企業)は法律(約束と言い換えても良い)を守らないクズだからです。もはやクズのプロ。
ほんとにもう大変です…
和解調書は、確認条項、給付条項、清算条項等、ある程度文言が決まっていて、裁判所の書記官が、和解内容を吟味して、良くも悪くも和解に準じて正確に記載してくれます。確認するタイミングがあれば、本当にこの文言で良いのか?ってことをとても慎重に判断してください!私はこれを怠ったので、とても後悔することになりました。
言訳ですが、当時は和解出来て、気がゆるんでいたのでしょう。和解は、真の終結ではないのです。守られない和解調書はただの紙切れです。
訴訟費用等
場合にもよりますが、数千円から何百万です。弁護士を頼むとすごい額になります。なぜなら、成功報酬がn%という設定だからです。
弁護士を頼むと、手付金20万位に、損害賠償額が100万円で決まったら、100万円×n%の費用が必要という事。ここら辺は弁護士次第。
訴訟自体の費用はあまりかかりません。賠償請求額に依存しますが、事故の無いあおり運転程度なら5~50万円位の請求になると思いますので、訴訟費用は1000円程度、他に予納郵券といって、書類のやり取りに使用する切手群が数千円必要です。これも裁判所によって微妙に異なるので電話で確認してみてください。こちらは、もし余れば返ってきます。反対に足りなければ追加で要求されます。
他にも裁判所までの移動交通費や、登記簿や住民票、送付用の封筒、陳述書用の紙や、プリンターでやるならインクなど、書類の準備にかかる時間、そういったものを考えると、裁判は本当にコスパ悪いです。
奇跡的に自宅にFAXがあれば、書類のやり取りは少し楽になります…
私は本人訴訟だったのでかかりませんでしたが、弁護士を立てるとすると、手付金が概ね20万円かかります。すぐに赤字になるので、泣き寝入りですね…でも、あおり運転は許さない!
そんな気持ちが無いと戦えないかもしれません。一方、任意保険に弁護士特約が付いている方は、使用できる可能性があるので、保険会社に連絡しましょう。その場合、費用はほとんどかからないはずです。
次回は、強制執行です…
弁護士特約
弁護士特約とは、保険につけられるオプションのひとつで、弁護士費用、訴訟費用等を保険で賄える制度です。
通常、相手側との交渉は保険会社が行ってくれますが、こちらに全く非が無いような0:100の追突事故のような場合には、保険会社は何もしてくれません!というか、過失がないので補償するものがなく、何も出来ないのです。
そんな時でも適切に対応してくれるのが弁護士、慰謝料等も過去の判例から適切に見積もってくれます。

